
うちの倅は釣りが好き。
魚も大好き。
でも魚を食べるのは嫌い。
なんじゃそりゃ!って思ったけど、思い返して考えてみた。
彼は魚が嫌いだから嫌いな魚をやっつける為に釣りをして釣り上げる事に楽しさを見出しているのかもしれないし、
「釣る」という行為はめっちゃエキサイティングで楽しいけど、食べると味や食感が嫌で嫌いなのかもしれないし。
もっというと彼は優しくて、大好きな魚の命を奪ってしまうのが心苦しいのかもしれなくって、食べたくないと思ってるのかもしれないし。
魚を触ったり触れ合ったりする事が大好きで死んでしまった魚(食べる魚)には別の感情を抱いているのかもしれない。
大人になった僕等は「好き」は「好き」やし、「嫌い」は「嫌い」でひとくくりにしようとしちゃってる。自然と。 なんか本棚に一色だけ違う色の本があって、全部揃えたいみたいな。
彼には大人のように「シンプルなふりをした複雑な感情」はまだないのだ。
気になったので、倅に聞いてみた。
「なんで魚さん好きなのに魚さん食べるの嫌いなの?」
やっぱり。
もう理由はあるのだ。
彼の存在に価値があるように。
彼はもう、生まれ。
存在し、
1人の俺っていう人間にまで影響まで与えうる、1人の人間になっているのだ。
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